ver.1.0
はじめに
「ROE UP! マニュアル」(以降、マニュアル)からお読みください。カードの詳しい説明はそちらにございます。
最新情報は以下のホームページをご参照下さい。
ROE UP! サポートサイト:http://wsf.mot.or.jp/roeup/
プロフェッショナル・ルール:http://wsf.mot.or.jp/roeup/for-business-person/professional-rule/
ダウンロードページ:http://wsf.mot.or.jp/roeup/support/downloads/
準備
デッキ以外の準備
このルールでは、カードのデッキ以外に以下を準備します。
- Microsoft ExcelをインストールしたPCまたはタブレット一台。
- メモ帳と鉛筆。(各プレーヤーが戦略を立てるのに必要でしょう。)
ゲームに用いるExcel用のテンプレートは以下のページよりダウンロードしていただけます。
http://wsf.mot.or.jp/roeup/support/downloads/
このテンプレートをコピーし、Excelにてゲーム中の価値の移動を記録します。以降、これを「シート」と記します。
ゲームマスター
このルールでは、ゲームの司会進行、銀行役、およびシートへの入力を行うゲームマスターが必要です。(ゲームマスターもゲームへの参加が可能です。)
ゲームマスターの役割や、ゲームの詳細な計算方法や数値、カードの読み替えなどの詳細は、すべてシートに記載してあります。
ゲームマスターをする人はゲーム開始前にシートに記載の説明を熟読して下さい。各プレーヤーに疑問があったばあいは、ゲームマスターが解決し、回答して下さい。
ゲームの概要
市場や取引によってカードを調達し、そのカードを使って自分の企業を成長させるシミュレーションゲームです。サイコロやカードの引きといった、運の要素はありません。(プレーヤーの並び順は運の要素かもしれませんが。)
「ROE UP!」では、ターン(あるいはラウンド)のことを「期」と呼びます。融資、調達、行動、決算の各フェイズが一期の流れになります。プレーヤーの行動は順に行いますが、それ以外は全プレーヤー一斉に行います。
ゲームは以下の場合に終了になります。
- あらかじめ決めておいた期が終了した。
- あらかじめ決めていた終了時間になり、決算フェイズが終了した。
- ナレッジ市場の場札および各プレーヤーのナレッジがすべてなくなった。(配置された。)
ゲームが終了したら経営指標を計算し、それぞれのトップ賞を授与します。賞が最も多い人が総合優勝です。
賞には以下があります。
- ROE賞 ROEがトップ
- 売上高賞 売上高がトップ
- 売上高利益率賞 売上高利益率がトップ
- 資産回転率賞 売上高利益率がトップ
カードの調達の仕方
カードの調達は、取引を除き、すべてセリで行います。カードの調達の仕方を以下に示します。
- 調達可能なカードは、場にすべて表向きに置いておきます。
- 「他のプレーヤーとのカード交換」の能力のキャラクターカードを持つプレーヤーは、カードに記載の回数のみ交渉能力を行使することができます。その場合、プレーヤーは交渉能力の行使を宣言し、欲しいカードを「調達費用」0で手に入れることができます。このプレーヤーの調達への参加はここで終了です。
- 調達に参加するすべてのプレーヤーは「いっせーのーで!」の掛け声で、一斉に欲しいカード一枚を指さします。
- 一人のプレーヤーのみが指さしているカードは、そのプレーヤーのものになります。「調達費用」は0です。
- 一枚のカードに複数のプレーヤーが指さしている場合はセリになります。指をさしたプレーヤーの中で、一番高い値をつけたプレーヤーがそのカードを手に入れることができます。プレーヤーがつけた値が「調達費用」になります。
- カードを手に入れられなかったプレーヤーは、再び3から5を行います。これを繰り返し、希望するすべてのプレーヤーがカードを調達すれば、調達フェイズは終了です。
一回のセリにおいて、各プレーヤーは最大でも1枚のカードしか調達できません。
以降の説明では、このようなセリの手順を「調達のセリ」と記します。
ゲームの開始
シナリオの決定
シナリオ(プロダクト・シナリオ、コモディティ・シナリオ、混戦シナリオ)を選択します。
- プロダクト・シナリオでは[Product]マークの付いたカードを使います。キャラクターカード、アセットカード、ビジネスユニットカードより、[Commodity]マークのみのカードを抜き出し箱に戻します。
- コモディティ・シナリオでは[Commodity]マークの付いたカードを使います。キャラクターカード、アセットカード、ビジネスユニットカ[Product]duct]マークのみのカードを抜き出し箱に戻します。
- 混戦シナリオではすべてのキャラクターカード、アセットカード、ビジネスユニットカードを使います。
これらの箱に戻したカードは使用しません。
またこのルールでは、イベントカードは、「投資の成立」のファイナンスカード、およびマーケティングカードのみを使います。その他のイベントカード(「財務格付の向上(社債の発行)」「融資の成立」のファイナンスカード、強制カード、その他のイベントカード)も使用しませんので箱に戻しておきます。
以降、混戦シナリオについての説明はこのボックスで示します。
キャラクターと資本の決定
シナリオで用いるすべてのキャラクターカードを場に表向きで並べ、全プレーヤーで調達のセリをします。(このセリは不参加や、途中で降りる選択はできません。)
業界ごとに設定された資本のベースからセリでの調達費用を引いた額が、それぞれのプレーヤーの資本金となります。ゲームマスターはその額を各プレーヤーに通知します。
キャラクターカードはオープンデッキに配置します。プレーヤーはキャラクターカードを読み、以降カードに記載の特殊能力を行使することができます。(特殊能力の中には、カードに記載の事項を行うのではなく、ルールに則して読み替えを行うものもあります。ゲームマスターにお聞きください。)
あまったキャラクターカードは箱に戻します。
カードの配置
山札の配置
プロダクト・シナリオ、コモディティ・シナリオの場合は、カードをアセットカードとそれ以外(ビジネスユニットカードとイベントカード)に分け、それぞれをよく切ります。そして2つの山札として場に置きます。
混戦シナリオの場合は、アセットカードをProductとCommodityに分け、ビジネスユニットカードもProductとCommodityに分けます。イベントカードは、ビジネスユニットカードの2つ山に等量になるように混ぜます。(「投資の成立」のファイナンスカードは一枚ずつ、マーケティングカードは2枚をProductのビジネスユニットカードに、3枚をCommodityのビジネスユニットカードに混ぜます。)それぞれをよく切り、4つの山札として場に置きます。
アセットカードの山が「アセット市場」に、ビジネスユニットカードとイベントカードの山が「ナレッジ市場」になります。
混戦シナリオの場合は、2つの市場それぞれに、ProductとCommodity2つの業界の山札と捨て山、計4つの場があることになります。
オープンデッキ
ゲーム中、各プレーヤーはオープンデッキに以下のようにカードを配置します。
ゲーム開始時は、キャラクターカードのみが配置された状態です。
ナレッジに配置できるカードの枚数は上限があります。この枚数はゲーム開始時にゲームマスターから伝えられます。
一期の流れ
一期の中では、以下のフェイズを行います。
- 融資フェイズ
- アセット調達フェイズ
- ナレッジ調達フェイズ
- 交渉フェイズ
- 行動フェイズ
- 決算フェイズ
融資フェイズ
銀行から追加の借入や、融資の返済が必要なプレーヤーは、銀行(ゲームマスター)にその旨を申し出ます。
借入
銀行から追加の借入が必要なプレーヤーは、銀行に借入の相談をします。
追加借入が可能な金額と、そのときどきの利率と支払利息は、ゲームマスターからプレーヤーに伝えられます。
融資が成立すると、負債と現金がその額だけ増加します。また決算時の支払利息も増加します。
返済
融資の一部を返済するプレーヤーは、銀行(ゲームマスター)に申し出ます。
負債と現金が返済金額の分だけ減少します。また決算時の支払利息も減少します。
アセット調達フェイズ
アセット市場の配置
期の最初には、まずアセット市場に物件が売りに出されます。
アセット市場の山札の周りに、プレーヤーの数と同じ枚数のカードが表向きになるようにアセット市場の山札をめくって配置します。前の期のカードが残っている場合には、プレーヤー数に足りないカードのみをめくって補充します。
混戦シナリオの場合は、Product、Commodityそれぞれの業界のプレーヤーの数だけ、それぞれの山札の周りにカードが開かれている状態にします。この時、両方の能力のキャラクターはProduct、Commodity両方のプレーヤー数として数えます。
つまり、すべてのプレーヤーが、いずれかのアセットを必ず調達できる状態です。
山札がなくなった場合は、捨て山を切って山札にします。捨て札もなくなった場合は、場にある枚数だけでセリをします。
アセットのセリ
配置したアセット市場に対して、調達のセリを行います。各プレーヤーは、参加しない、途中参加、途中でやめる等の選択もできます。
混戦シナリオの場合、Product、Commodity2つのアセット市場がありますが、一度にセリを行います。キャラクターが能力を持っていない業界の市場のセリに参加して、カードを調達することも可能です。(意味は無いのですが。)
調達したカードは各プレーヤーのオープンデッキに、字が読めるように横向きに配置します。
アセットカードに記載の「資産」の額は固定資産に計上されます。その額と調達費用の分だけ現金が支払われます。
ナレッジ調達フェイズ
ナレッジ市場の配置
続いて、ナレッジ市場に知識が売りに出されます。
ナレッジ市場の山札の周りに、プレーヤーの数+1枚のカードが表向きになるように、ナレッジ市場の山札をめくって配置します。前の期のカードが残っている場合には、プレーヤー数+1に足りないカードのみをめくって補充します。
混戦シナリオの場合は、Product、Commodityそれぞれのプレーヤーの数+1枚だけ、それぞれの山札の周りにカードが開かれている状態にします。この時、両方の能力のキャラクターはProduct、Commodity両方のプレーヤー数として数えます。
つまり、すべてのプレーヤーが、いずれかのナレッジを必ず調達でき、尚且つ競り落とせないプレーヤーにも選択権がある状態です。
山札がなくなった場合は、捨て山を切って山札にします。捨て札もなくなった場合は、場にある枚数だけでセリをします。
ナレッジのセリ
配置したナレッジ市場に対して、調達のセリを行います。各プレーヤーは、参加しない、途中参加、途中でやめる等の選択もできます。ただし手持ちのナレッジには上限の枚数があります。それ以上増やすことはできません。
混戦シナリオの場合、Product、Commodity2つの市場がありますが、一度にセリを行います。キャラクターが能力を持っていない業界の市場のセリに参加して、カードを調達することも可能です。
各プレーヤーは、調達したカードをオープンデッキのナレッジの領域に配置します。このとき[Premium]マークの付いたプレミアムカードを調達したプレーヤーは次の項のように配置します。通常のビジネスユニットカードは文字が読める向きに置きます。
各プレーヤーは、調達費用だけ現金を支出します。
プレミアムカードの配置
プレミアムカードは、研究開発に成功しないとローンチできません。そのことを明らかにするために、以下のように配置します。
まず、カードを文字が読める向きに置きます。そこから、カードのサイコロの絵の数+2だけ、時計回りに45度ずつ回転させます。([6 – サイコロの絵の数]の期で研究開発は終了することになります。)
キャラクターに「プレミアムカードのサイコロ補正」能力がある場合は、さらにその数だけ時計回りに45度ずつカードを回転させます。もし文字が読める向き以上に戻った場合は、即研究開発成功です。その期にビジネスユニットをローンチすることができます。(能力のあるキャラクターは研究開発が早く完了することになります。)
取引フェイズ
取引フェイズでは、オープンデッキに配置された知識(ビジネスユニットカードとイベントカード)をプレーヤー間で売買をすることができます。現金との交換だけでなく、複数のカードや現金とカードを合わせての交換をすることも可能です。ナレッジのみならず、ローンチされた、劣化していないビジネスユニットカードおよび行使されたマーケティングカードの取引も可能です。
ただし劣化したビジネスユニットや、行使されたファイナンスカードの取引はできません。プレーヤーの手持ちのナレッジが、上限の枚数を越えるような取引もできません。
取引成立の際はカードがプレーヤー間を移動します。その際、研究開発が必要なプレミアムカードは、向きが変わらないように注意して下さい。(ローンチ済みのビジネスユニットは研究開発済です。)
受け取ったカードは必ずナレッジになります。ローチ済みのビジネスユニットや行使されていたマーケティングカードも受け取り側ではナレッジに戻ります。
取引を行ったプレーヤーは、取引の現金の額だけ、お互いに収入、支出となります。
行動フェイズ
行動フェイズでは、各プレーヤーはオープンデッキ上のナレッジにあるカードの行使をします。各プレーヤーは、キャラクターカードの番号が一番若いプレーヤーから時計回りに、自分の行動を説明しながらカードを配置します。
プレーヤーの行動には以下があります。
- 研究開発の推進
- ビジネスユニットのローンチ
- ファイナンス、マーケティング
- 廃棄
プレーヤーはナレッジにあるカードすべてについて行使することが可能です。カードの行使によって現金が支出します。各プレーヤーは現金がマイナスにならないように(現金ショートしないように)注意して下さい。不安な場合はゲームマスターに確認をとって下さい。
研究開発の推進
ナレッジに研究開発中のプレミアムカードがある場合は、研究開発の推進が可能です。プレーヤーはプレミアムカードごとに以下を行います。
- プレーヤーは研究開発の推進を宣言します。
- カードを時計回りに45度回転させます。カードが読める向きになれば、研究開発終了です。
一回の行動で複数の研究開発を継続することが可能です。しかし推進によって研究開発終了となったビジネスユニットはその期にローンチすることはできません。
推進した研究開発のCostの合計金額が、現金の支出になります。
ビジネスユニットのローンチ
オープンデッキデッキのナレッジの中の、研究開発が終了したプレミアムカードと通常のビジネスユニットカード、つまり字が読める向きのビジネスユニットカードはローンチすることができます。
ローンチは、アセットカードのパイプの先にビジネスユニットカードを字が読める向きで配置することで行います。このとき、プレミアムカードは先頭に[可]マークの有るパイプの先にしか置けません。
既にアセットに接続しているビジネスユニットカードを廃棄して、新たにローンチすることも可能です。廃棄するビジネスユニットカードは、それぞれの業界の捨て山に捨てます。
ローンチのCostの額は現金支出になります。ローンチしたビジネスユニットの売上と利益は事業売上高と事業利益に加算され、決算時に会計に反映されます。
ビジネスユニットのシナジーと劣化
ビジネスユニットカードの絵柄は、そのビジネスユニットのカテゴリーを表します。
一つの企業にて同じカテゴリーのビジネスユニットを複数立ち上げると、シナジーが生まれます。このとき、そのカテゴリーのビジネスユニットすべての利益率が向上します。
また製品市場に同じカテゴリーのビジネスユニットが新たに立ち上がると、古いビジネスは陳腐化します。これを「劣化」といいます。
製品市場に、劣化せずに立ち上げられるビジネスの総数はカテゴリーごとに決まっています。この数以上のビジネスがローンチされ、劣化が起こる場合は、ゲームマスターよりプレーヤーにその旨が告げられます。
そのプレーヤーは、劣化したビジネスユニットカードを逆さまに配置し直します。劣化後の利益と売上は、カードの新たに左上となった部分に表されています。
シナジーと劣化も事業売上高と事業利益に反映されます。
ファイナンスあるいはマーケティング
オープンデッキのナレッジの中の、ファイナンスカード(投資の成立)あるいはマーケティングカードをオープンデッキの対応する領域に配置し直します。もし既に、オープンデッキに配置できる数のカードが置かれている場合は、それ以上配置することはできません。通常の場合、これらが配置できるカードはそれぞれ一枚ずつですが、キャラクターによってはそれ以上の配置が可能です。(マニュアルのキャラクターカードの節をご参照下さい。)
ファイナンスカードでは、増資額だけ資本が増加します。マーケティングカードでは、その効果に見合っただけ事業利益が増加します。
マーケティングカードについては、オープンデッキに配置のカードを廃棄して、ナレッジのカードと置き換えることも可能です。廃棄するイベントカードは、ナレッジ市場の捨て山に捨てます。
混戦シナリオの場合は、ナレッジ市場の捨て山が2つあります。イベントカードは別の捨て山に捨てておき、ナレッジ市場のいずれかの山札がなくなって、捨て山を切り直すときに適切な枚数をもどすようにするとよいでしょう。
廃棄
オープンデッキのナレッジにあるカードは廃棄することができます。カードに適当な捨て山に捨てます。
決算フェイズ
プレーヤーの行動が一巡したら、決算フェイズになります。
現金ショートの解消
現金がマイナスになってしまった、現金ショートのプレーヤーがいる場合は、ゲームマスターから指摘がなされます。そのプレーヤーについては、以下を行います。
- ナレッジの売却 現金ショートしたプレーヤーのナレッジを対象に取引をします。現金ショートしたプレーヤーのナレッジに対する、現金での取引以外にはできません。また他の現金ショートのプレーヤーはもちろん、既にナレッジが上限枚数のプレーヤーも取引に参加できません。
- アセットの売却 現金ショートしたプレーヤーはアセットを売却します。売却額は資産の額の半額になります。売却したアセットカードと接続していたビジネスユニットカードは適当な捨て山に捨てます。
以上を行っても現金がプラスか0にならない場合はデフォルト(債務不履行)ですのでゲーム・オーバーです。またアセットがなくなった場合も、事実上ゲーム・オーバーです。
以上のようにリスクが大きいので、現金ショートにはならないように気をつけましょう。
決算公告
期の最後に決算公告がなされます。
ゲームマスターより、各プレーヤーの決算を表示したシートが公開されます。
各プレーヤーは必要な情報(自分の現金の額など)をメモし、次の期の戦略を考えます。
ゲームの終了
あらかじめ決めてあった終了条件になりましたら、決算フェイズの終了後にゲーム終了となります。
ゲームマスターより、各プレーヤーの最終成績を示したシートと、それぞれの指標での順位の発表がなされます。トップ賞をもっとも多くとったプレーヤーが総合優勝になります。